精神科訪問看護は週何回来てくれる?制度の上限と実際の頻度【Vol.60】


精神科訪問看護は週何回来てくれるか 制度の上限と実際の頻度

「精神科の訪問看護をお願いすると、週に何回くらい来てもらえるんですか?」これは、ご利用を検討されるご本人やご家族から、はじめにいちばんよく聞かれるご質問のひとつです。毎日来てほしいのか、月に数回でいいのか。ご心配やご希望は人それぞれです。

結論から言うと、精神科訪問看護の回数には「制度で決められた上限」と「実際にお伺いする頻度」の2つがあり、この2つは別のものです。この記事では、府中よりそい訪問看護ステーションが、制度上の枠と、当ステーションで実際に多いペースの両方を、できるだけやさしく整理してお伝えします。

回数には「制度の上限」と「実際の頻度」の2階建てがあります

まず知っておいていただきたいのが、この2つの違いです。

  • 制度の上限=健康保険のルールで「ここまでは訪問看護を使えます」と定められた最大の枠。全国共通です。
  • 実際の頻度=その方の状態やご希望、主治医の指示に合わせて、実際に何回お伺いするか。人によって違います。

大切なのは、「上限まで使わなければいけない」わけではないということ。上限はあくまで「使える最大」であって、多くの方はその範囲内で、必要なペースに合わせてご利用されています。まずは制度の上限から見ていきましょう。

制度の上限(1)原則は「週3日まで」

精神科訪問看護(医療保険)の訪問回数は、原則として週3日までと定められています。これは「精神科訪問看護基本療養費」という健康保険の算定ルールで決められた枠です。

ここで一点、正確にお伝えしておきたいことがあります。制度上は「週3」ではなく「週3」と数えます。同じ日に複数回お伺いするようなケースでも、「その日に訪問したかどうか」を1日と数えます。ですので「週に何回来てくれるの?」というご質問には、「週に最大3日まで」とお答えするのがいちばん正確です。

また、この「週」は暦の月曜始まりではなく、日曜日から土曜日までの7日間で数えるのが原則です。月をまたいでも、この数え方は変わりません。

制度の上限(2)退院の後3か月以内は「週5日まで」

入院していた方が退院された直後は、生活の立て直しやお薬の調整など、手厚い支援が必要な時期です。そのため精神科訪問看護では、退院した日から3か月以内の期間に限り、週5日まで訪問できることになっています。

退院直後のいちばん不安な時期にこそ頻回にお伺いし、少しずつ在宅での生活に慣れていただく。その後、状態が落ち着いてきたら訪問の回数をゆるやかにしていく、という流れが一般的です。この「退院後3か月は週5日まで」という枠は、精神科の訪問看護に設けられている手厚い仕組みです。

制度の上限(3)主治医から特別な指示が出たとき

状態が一時的に不安定になり、集中的な支援が必要になることもあります。そうしたとき、主治医が必要と判断すれば「特別訪問看護指示書」という書類を出すことができます。

この指示書が出ると、その指示の日から最長14日間は、週4日以上の頻回な訪問ができるようになります。原則として1か月に1回まで交付できる仕組みです(状態によってはさらに手厚くできる場合もあります)。

急に調子をくずしてしまったときに、一時的に訪問を増やして支える。回復してきたら通常のペースに戻す。こうした柔軟な対応も、制度としてきちんと用意されています。難しい手続きはこちらと主治医とで進めますので、ご本人やご家族が書類を用意する必要はありません。

「上限まで使う」必要はありません。頻度は状態に合わせて決めます

ここまで「週3日」「週5日」といった上限をお伝えしてきましたが、いちばんお伝えしたいのは、この上限まで必ず使わなければいけないわけではないということです。

訪問の頻度は、その方の状態、生活のリズム、ご希望、そして主治医の指示をもとに決めていきます。毎日誰かに来てほしいという方もいれば、月に数回、様子を見に来てもらえれば安心という方もいらっしゃいます。「たくさん来てもらうほど良い」というものではなく、その方にちょうどいいペースを一緒に見つけていくのが訪問看護です。

府中よりそいでは「週1回から2回・1回30分ほど」が目安です

では実際のところ、どのくらいの頻度が多いのか。府中よりそい訪問看護ステーションでは、週1回から2回、1回あたり30分ほどのペースでお伺いしている方が多くいらっしゃいます。

一方で、状態が落ち着いている方や、見守りを中心にという方の中には、月1回のペースでご利用されている方もいらっしゃいます。「月に1回では申し訳ないかな」と気をつかわれる必要はまったくありません。月1回であっても、定期的に専門職がご様子をうかがい、変化の兆しに早めに気づける関わりには大きな意味があります。私たちは月1回のご利用も心から歓迎しています

つまり、頻度は月1回から週数回まで、その方に合わせて幅があります。ここでお伝えした「週1回から2回」はあくまで当ステーションでの目安であって、「週2回までしか使えない」という意味ではありません。前述のとおり制度上は週3日まで(退院後3か月以内は週5日まで)使えますので、より頻回な支援が必要な方には、状態に合わせてご相談のうえ回数を調整します。「うちの場合はどのくらいがいいのか」は、初回のご相談やご契約のときに、ご希望をうかがいながら一緒に決めていきます。

1回の訪問で実際にどんなことをしているのかは、精神科訪問看護師の1日|訪問では何をしているの?(Vol.34)で具体的にご紹介しています。あわせてご覧ください。

回数は途中で変えられます(増やす・減らす)

最初に決めた回数を、ずっと続けなければいけないわけではありません。訪問の頻度は、ご利用の途中でも見直しができます

  • 調子がすぐれない時期は、主治医と相談して回数を増やす
  • 生活が安定してきたら、少しずつ回数をゆるやかにする
  • ご家族の状況が変わったときに、あらためて相談する

状態は日々変わっていくものですから、それに合わせて柔軟に見直していくのが自然です。「一度決めたら変えにくいのでは」とご心配される必要はありません。気になることがあれば、その都度ご相談ください。

回数と費用の関係|公費で負担が軽くなることもあります

訪問の回数が増えれば、そのぶん費用のことも気になりますよね。精神科訪問看護は健康保険が使えるため、自己負担は原則1割から3割ですが、「自立支援医療(精神通院医療)」などの公費の制度を使うと、自己負担がさらに軽くなる場合があります。制度によっては自己負担が0円になる場合もあります。

ご自身の場合におおよそいくらになるかは、自己負担額の計算ツールでその場で概算できます。回数ごとの料金の考え方は精神科訪問看護の料金はいくら?(Vol.48)で、通常の訪問での交通費については訪問看護の交通費はいくら?(Vol.32)でくわしくご説明しています。

迷ったら、まずはご相談ください

「週に何回来てもらえるのか」は、制度の上限だけで決まるものではなく、その方の状態やご希望に合わせて一緒に組み立てていくものです。制度としては週3日まで(退院後3か月以内は週5日まで、特別な指示があれば一時的にさらに頻回に)使え、当ステーションでは月1回から週数回まで、その方にちょうどいいペースをご相談しながら決めています。月1回のご利用も歓迎していますので、頻度のことでためらわず、まずはご相談ください。

「うちの家族の場合はどのくらいがいいんだろう」と迷われたら、まずはお気軽にお問い合わせください。ご本人がまだ受診されていない段階でも、ご家族だけのご相談から始めていただけます。ご家族だけでの相談についてはご家族からよくある質問10(Vol.35)もご参考になさってください。

府中よりそい訪問看護ステーション
電話:042-508-3434(受付 9:00から18:00)
府中市を中心に、多摩地域へお伺いしています。初回のご相談は無料です。

よくあるご質問

精神科訪問看護は週に何回来てもらえますか?

制度上は原則として週3日までです。退院した日から3か月以内は週5日まで、主治医から特別な指示が出たときは一時的に週4日以上、お伺いできます。実際の頻度は状態やご希望に合わせて決めます。

府中よりそいでは実際どのくらいの頻度が多いですか?

週1回から2回、1回30分ほどの方が多いですが、状態が落ち着いた方には月1回のご利用もあり、月1回も歓迎しています。目安であり、必要な方は制度の範囲内で回数を増やすこともできます。

最初に決めた回数は途中で変えられますか?

変えられます。調子がすぐれない時期は主治医と相談して増やし、安定してきたらゆるやかにするなど、状態に合わせて途中でも見直しができます。

毎日来てもらうことはできますか?

通常は週3日までですが、退院後3か月以内は週5日まで、主治医の特別な指示が出た期間は週4日以上お伺いできます。毎日の訪問が必要かどうかも含め、主治医と相談しながら決めていきます。

回数が増えると費用も高くなりますか?

訪問1回ごとに費用がかかりますが、健康保険が使え、自立支援医療などの公費を利用すると自己負担が軽くなる場合があります。おおよその金額は計算ツールでその場で概算できます。

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