【Vol.34】精神科訪問看護師の1日|訪問では何をしている?|府中市の精神科訪問看護


「精神科訪問看護って、結局なにをしてくれるところなんですか?」
ご利用者さんやご家族から、また、転職を考えてくださっている看護師さんから、よくいただく質問です。

このページでは、府中よりそい訪問看護ステーションの看護師の「ふつうの1日」を、朝の準備から夕方の報告書作成まで、時間を追ってご紹介します。具体的なケース内容ではなく、業務の流れと、訪問の中で大切にしている時間のつかい方をお伝えするものです。

「精神科訪問看護に、実際にどんなふうに看護師が動いているのか」を、少しでもイメージしていただけたら嬉しいです。

精神科訪問看護師の1日|全体像

当ステーションの看護師の1日は、おおむね次のような時間配分で動いています。

  • 9:00〜9:30 朝礼(オンライン/月曜のみ事務所集合の全体ミーティング)
  • 9:30〜12:00 午前の訪問(1〜2件)
  • 12:00〜13:00 昼休み(自宅・車内・ステーション、自由)
  • 13:00〜17:00 午後の訪問(2〜4件)
  • 17:00〜18:00 記録の入力・主治医への報告書・チーム内連携

1日に訪問する件数は、看護師ひとりあたり4〜5件が中心です。1件の訪問は、原則30分〜60分。移動と記録の時間をふくめて、1件あたり1時間〜1時間半ほどをかけて動いています。

「いつ・どこで・何件まわるか」は、利用者さんごとの訪問頻度(週1回〜週3回など)、ご希望の曜日・時間帯、ステーション側のシフトを組み合わせて、月単位で決まっていきます。急なご相談や体調の変化があった場合は、当日のスケジュールを柔軟に組み替えます。

9:00〜9:30|朝礼(オンライン/月曜は事務所集合)

1日のはじまりは、朝9:00からのオンライン朝礼です。火曜から金曜は、看護師それぞれが自宅や事務所から、ビデオ通話で参加します。月曜だけは、全員が事務所に集まって対面の全体ミーティングを行います。

朝礼で共有しているのは、主にこの3つです。

  • 前回からの変化があった利用者さんの申し送り(症状の波・服薬状況・ご家族からのご相談)
  • 体調の変化やヒヤッとした出来事の共有と、対応方針の確認
  • 本日の訪問予定、急な変更や同行訪問の段取り

精神科訪問看護では、前回からの「変化」をどれだけ早くチームで拾えるかが、ケアの質に直結します。短い時間でも、毎朝チーム全員が顔を合わせて情報を揃える――この30分が、その日の安心感をつくっています。

朝礼が終わったら、それぞれが訪問バッグ(バイタル測定セット・記録用タブレット・名札・マスク・消毒液など)を確認し、1件目に向かいます。

9:30〜10:00|1件目の訪問

1件目は、たいてい9:30〜10:00ごろに開始します。インターホンを押して、玄関で「おはようございます」とご挨拶するところから訪問が始まります。

玄関先の表情、声のトーン、お部屋の様子――それだけでも、その日の体調はかなり伝わってきます。「いつもと違う気がする」「今日は少し疲れているように見える」――そうした感覚を大事にしながら、お話を始めます。

1件目でよくあるのは、こんな流れです。

  • はじめの5分 ご挨拶・バイタル測定(血圧・脈・体温)
  • 次の10分 1週間の出来事のヒアリング(睡眠・食事・気分の波)
  • 真ん中の10分 服薬カレンダーの確認、副作用や飲みにくさの相談
  • 後半の10分 今週やってみたいこと(散歩・お風呂・買い物など)の小さな目標の相談
  • 最後の5分 次回までに気にしておいてほしいことの確認、ご家族への伝言の整理

30分の中で、ほとんどの時間は対話と観察です。医療処置をする訪問ももちろんありますが、精神科訪問看護で多いのは、「変化に気づいて、整える」関わりです。

10:30〜11:30|2件目の訪問

移動して、2件目に入ります。府中市内なら、訪問と訪問の間の移動は10〜20分ほど。当ステーションは交通費をいただいておりませんので、移動時間も看護師の業務時間に含まれます。

2件目は、たとえばこんな訪問になります。

  • 退院されてまだ間もない方への、生活リズムの立てなおしのお手伝い
  • ご家族の介護負担が大きくなっているお宅で、ご家族のお話を聞く時間を別枠で確保
  • 幻聴や不眠で外出がむずかしい方の、お部屋の中での過ごし方の整理
  • 服薬を中断しがちな方への、お薬カレンダーの組みなおし

同じ「精神科訪問看護」でも、ご本人ごとに「いま、いちばん困っていること」は違います。1件1件、その方のペースに合わせて関わるのが、訪問看護の基本姿勢です。

12:00〜13:00|昼休み

お昼は、自由です。自宅に戻る看護師もいれば、車の中でお弁当を食べる看護師、ステーションに戻ってチームメンバーと一緒に食事する看護師もいます。

精神科訪問看護は、午前中に聞いたお話の重さが、お昼の間に少し残ることがあります。意識的に「気持ちをリセットする時間」を持つことを、お互いに大切にしています。短い散歩、好きな飲み物、家族へのメッセージ――どんなかたちでも構いません。「ひと呼吸」が、午後の訪問の質を支えてくれます。

13:00〜17:00|午後の訪問

午後は、2〜4件の訪問が中心です。午前と同じように、1件30〜60分、移動10〜20分のリズムで進みます。

午後の訪問では、こんな関わりが増えます。

  • デイケア・作業所など、日中の活動から戻られた方への、振り返りの時間
  • 仕事をされている方への、夕方〜夜の不調への備えの相談
  • 夕食前後の服薬の確認、就寝までの過ごし方の整理
  • ご家族が仕事から戻られた時間にあわせた、ご家族同席の面談

夕方の訪問は、ご本人もご家族も「1日の疲れ」が出やすい時間帯です。「今日もおつかれさまでした」のひと言を、看護師から伝えるだけで、その日の終わり方が少しやわらかくなります。

17:00〜18:00|記録・報告書・連携

最後の訪問が終わったら、記録の時間です。当ステーションでは、訪問記録はその日のうちに入力することを基本にしています。

  • 訪問記録の入力(バイタル・観察事項・本人/家族の発言・看護師の評価)
  • 状態に変化があった方の、主治医への報告書の下書き
  • 気になったケースについて、チーム内チャットで他のスタッフと相談
  • 翌日の訪問予定の確認、必要な準備の段取り

月1回は、すべての利用者さんについて、主治医(精神科や内科の先生)への訪問看護報告書をお届けします。診察で短い時間しか話せないご本人にかわって、生活の中で気づいたことを文章にしてお渡しする――これも、訪問看護の大切な仕事のひとつです。

訪問1件30分の中で、看護師がしていること

「30分で、何ができるんですか?」――よく聞かれる質問です。実は、30分の訪問の中で、看護師は同時にいくつものことをしています。

  • バイタルと身体所見の確認(医療職としての観察)
  • 表情・声のトーン・部屋の様子から、気分や生活リズムの変化を読み取る
  • お話の中から、症状の波・服薬の飲みにくさ・人間関係の困りごとを拾う
  • 「責めない・否定しない」関わりで、安心して話せる関係を保つ
  • 必要があれば、主治医や他の支援者へ早めに連絡する判断をする

30分の中の「対話」と「観察」は、医療処置のように見えなくても、立派な看護です。看護師が定期的にそばに来てくれる――その安心感そのものが、精神科訪問看護のはたらきだと、私たちは考えています。

「ふつうの1日」が、暮らしを支える

派手なことは、何もありません。決まった時間に訪問して、お話を聞いて、バイタルをとって、お薬を確認して、記録を残す――その繰り返しです。

でも、その「ふつうの1日」が、利用者さんとご家族の「ふつうの暮らし」を、少しずつ支えていきます。

「今日も来てくれた」
「変化に気づいてくれる人がいる」
「家族だけで抱えなくていい」
――そう感じていただける時間を、これからも積み重ねていきたいと思っています。

まとめ

精神科訪問看護師の1日は、朝の記録の読みなおしに始まり、4〜5件の訪問と、夕方の記録・報告書・チーム連携で終わります。

  • 1件30〜60分、対話と観察が中心
  • 1日4〜5件、月1回は主治医への報告書をお届け
  • 「変化に早く気づく」ことが、精神科訪問看護の核
  • 「ふつうの1日」を積み重ねることで、暮らしを支えていく

「精神科訪問看護を頼みたいけれど、実際に何をしてくれるのか不安」というご利用者さん・ご家族がいらっしゃいましたら、まずはお話だけでもうかがえます。
府中よりそい訪問看護ステーションでは、初回のご相談を無料でお受けしています。

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