【Vol.16】精神科訪問看護で家族ができること|介護疲れを減らす5つのヒント【府中市】


「ちゃんと薬を飲んでいるかな」
「今日は調子が悪そうだけど、声をかけていいのかな」
「いつまでこの生活が続くんだろう」

精神疾患のある方を支えるご家族は、日々こうした不安を抱えながら過ごしています。

統合失調症やうつ病、双極性障害などの精神疾患は、症状の波があるため予測がつきにくく、ご家族は常に緊張状態に置かれがちです。「自分が支えなければ」と責任を背負いすぎて、気づかないうちに心身ともに疲弊してしまうケースは少なくありません。

この記事では、精神科訪問看護が入ることでご家族の負担がどう変わるのか、そしてご家族自身ができる5つのことを具体的にお伝えします。

1. 精神科訪問看護が入ると、家族の負担はどう変わる?

精神科訪問看護は、ご本人だけでなくご家族のサポートも大切な役割のひとつです。

「ひとりで抱えなくていい」状態になる

訪問看護師が定期的に訪問することで、ご家族の負担は次のように変わります。

  • 症状の観察を専門職と分担できる:「今日の調子はどう?」を看護師が確認してくれる。ご家族が24時間見張っている必要がなくなる
  • 服薬管理を一緒に支えてもらえる:飲み忘れや拒薬への対応を、看護師と相談しながら進められる
  • 困ったときに相談できる専門職がいる:「こういうとき、どうしたらいい?」を訪問のたびに聞ける
  • ご家族自身の気持ちも聴いてもらえる:訪問時にご家族の話を聴く時間を取ることもある。愚痴や不安を吐き出す場があるだけで楽になることがある

注意:訪問看護は「家族の代わり」ではない

訪問看護師は、1回30分程度の訪問で生活を支えるお手伝いをします。ご本人の生活のすべてを看護師が代わりにするわけではありません。

大切なのは、ご家族と訪問看護師が「チーム」になることです。それぞれの役割を無理のない範囲で分担することで、長く続けられる支援体制ができあがります。

2. 家族ができる5つのこと

① 「見守り」と「監視」の違いを知る

ご家族が心配のあまり、ご本人の行動を逐一チェックしてしまうことがあります。しかし、「見守り」と「監視」はまったく違うものです。

見守り 監視
本人の自主性を尊重しつつ、変化に気づく 本人の行動をコントロールしようとする
「何かあったら言ってね」 「ちゃんとやってるの?」
安心感を与える プレッシャーを与える

精神疾患のある方は、「自分は信頼されていない」と感じると症状が悪化しやすくなることがあります。「いつでもそばにいるよ」という姿勢を保ちつつ、干渉しすぎないのが「見守り」のポイントです。

具体的にはどう変えればいいか、訪問看護師に相談してみてください。ご本人の状態に合わせた声かけの仕方を一緒に考えます。

② 服薬の声かけのコツ

精神疾患の治療では、服薬の継続がとても重要です。でも、ご家族が「薬飲んだ?」と毎日聞くことで関係がギクシャクしてしまうこともあります。

コツは「日常の流れに組み込む」ことです。

  • 朝食後に薬を置く場所を決めておく
  • 「一緒にお茶飲もうか」のタイミングに合わせる
  • カレンダーやお薬ケースを活用して、本人が自分で管理できる仕組みを作る

「指示する」のではなく「仕組みで支える」発想が大切です。訪問看護師が訪問時に服薬状況を確認するので、ご家族が毎回確認する負担を減らせます。

③ 自分の時間を確保する

ご家族が疲れていたら、ご本人を支えることはできません。

「自分の時間を取るなんて申し訳ない」と感じる方もいますが、これは支援を長く続けるために必要なことです。

  • 訪問看護の時間を「自分の休息時間」にする
  • 趣味の時間、友人との時間を意識的に確保する
  • 「完璧な家族」を目指さない。70点で十分

訪問看護師が定期的に訪問していることで、「自分がいない間も誰かが見てくれている」という安心感が生まれます。

④ 訪問看護師に「家族の困りごと」を共有する

訪問看護師は、ご本人のケアだけでなくご家族の困りごとにも対応します。

例えば:

  • 「最近、本人の怒りっぽさが増えていて怖い」
  • 「夜中に起きてしまって、こちらも眠れない」
  • 「薬を飲まなくなってきたけど、どう声をかければいいかわからない」

こうした悩みを訪問時に伝えてもらえれば、看護師がご本人への関わり方を調整したり、対処法を一緒に考えたりできます。

「こんなこと相談していいのかな」と思うことほど、早めに共有してください。 小さな困りごとが大きな危機になる前に対応できます。

⑤ 家族会・相談窓口を活用する

同じ立場の家族と話すことで、「自分だけじゃない」と感じられることがあります。

活用できる相談先

  • 精神保健福祉センター:精神疾患に関する家族向けの相談を受け付けています
  • 家族会:各地域で開催されている、精神疾患のある方のご家族同士が集まる場です
  • 訪問看護ステーション:訪問看護師に「家族が相談できる場所を教えてほしい」と聞いてみてください。地域の情報をお伝えできます

3. 訪問看護師との連携のコツ

ご家族と訪問看護師がうまく連携できると、ご本人の状態は安定しやすくなります。

おすすめの連携方法

  • 訪問前にメモを用意する:「今週気になったこと」を箇条書きにしておくと、短い訪問時間を有効に使える
  • 変化を具体的に伝える:「調子が悪そう」だけでなく、「火曜から食事の量が半分になった」「水曜の夜に大きな声を出していた」など具体的に
  • 訪問看護師からの助言を試してみる:声かけの方法や環境の工夫など、提案されたことをまず1週間試してみて、次の訪問で結果を共有する

「報告」ではなく「相談」の気持ちで。 正解がわからなくても、一緒に考えてくれるのが訪問看護師の役割です。

4. よくある質問

Q1. 家族が訪問に同席してもいいですか?

はい、同席していただいて構いません。ただし、ご本人が「家族のいないところで話したい」と希望される場合もあります。その場合は、訪問の一部をご本人だけの時間にし、残りの時間でご家族と話す形を取ることもあります。

Q2. 家族だけで訪問看護師に相談できますか?

可能です。ご本人の訪問の前後に、ご家族だけで相談する時間を取ることができます。「本人の前では言いにくいこと」がある場合は、遠慮なく訪問看護師に伝えてください。

Q3. 家族が限界を感じています。どこに相談すればいいですか?

まずは訪問看護師に相談してください。状況に応じて、精神保健福祉センター、地域の家族会、レスパイト(一時的な入院)など、ご家族の負担を軽減するための選択肢を一緒に検討できます。

Q4. 訪問看護の費用はどのくらいですか?

自立支援医療を利用すると、1回あたり約800円〜1,300円程度(1回30分程度の訪問の場合)の自己負担になります。月の上限額も世帯収入に応じて設定されます(2,500円〜20,000円。生活保護世帯は0円)。

5. まとめ|「支える人」を支えるのも、訪問看護の仕事です

精神疾患のある方を支えるご家族は、ご本人と同じくらい大変な思いをしています。

家族ができる5つのこと

  1. 「見守り」と「監視」の違いを知る
  2. 服薬の声かけは「仕組みで支える」
  3. 自分の時間を確保する
  4. 訪問看護師に困りごとを共有する
  5. 家族会・相談窓口を活用する

大切なのは、ご家族がひとりで抱え込まないこと。 訪問看護師は、ご本人だけでなくご家族も含めた「チーム」で支えることを大切にしています。

府中よりそい訪問看護ステーションは、府中市・調布市・国分寺市エリアで精神科訪問看護を提供しています。ご家族からの相談にも対応しています。

「家族のことも相談してもいいですか?」——もちろんです。

TEL: 042-508-3434
Web: fuchu-yorisoi-hns.com

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