【Vol.43】つらい家族に、何をすればいい?|精神科訪問看護師が伝えたい「家族ができること・がんばらなくていいこと」|府中よりそい訪問看護


家族として、何をすればいい? 精神科訪問看護 府中市

ご家族が心の不調を抱えているとき、そばにいる人ほど「自分は何をすればいいのだろう」と悩みます。励ましても元気にならない。声をかけても拒まれる。良かれと思った言葉が、かえって本人を追い詰めてしまったように感じる——。

そんなふうに、答えのない問いを一人で抱えているご家族は、本当にたくさんいらっしゃいます。府中よりそい訪問看護ステーションは、府中市で精神科訪問看護を行う中で、ご本人だけでなく、支えるご家族の声にも数多く出会ってきました。

この記事では、精神科訪問看護の現場から、ご家族に伝えたいことをまとめます。「正しい接し方」を増やすためではありません。むしろ、少し肩の荷を下ろしていただくための内容です。

まず、これだけは——あなたのせいではありません

心の不調は、ご家族の関わり方が原因で起きるものではありません。育て方が悪かったわけでも、支え方が足りなかったわけでもありません。

それでも多くのご家族が、「自分のせいかもしれない」と感じてしまいます。その自責の気持ち自体が、すでに一生懸命向き合ってきた証です。

完璧に支えようとしなくて大丈夫です。そばにいるだけで、あなたはもう十分なことをしています。まずは、そこから始めましょう。

がんばらなくて、いいこと

「何かしてあげなきゃ」と思うほど、力が入ってしまうものです。けれど、次のことは、無理にがんばらなくて大丈夫です。

  • 無理に励まさなくて、大丈夫。「がんばって」「元気出して」という言葉は、つらいときには「今のままではダメ」と聞こえてしまうことがあります。励ますより、ただ気持ちを否定せずに聞くだけで十分なときがあります。
  • 正そう・説得しようとしなくて、大丈夫。考えや言葉を正したくなっても、論破することがゴールではありません。「そう感じているんだね」と受け止めるほうが、本人は安心できることがあります。
  • 原因を探さなくて、大丈夫。「どうしてこうなったのか」を突き止めても、今を楽にするとは限りません。原因探しより、今日をどう穏やかに過ごすかに目を向けて構いません。

うまく言葉が出なくても、大丈夫です。沈黙のまま、となりにいる時間にも意味があります。

それだけで、十分なこと

反対に、特別なことをしなくても、次のような関わりがご本人の支えになります。

  • となりに、いる。解決しようとしなくても、安心できる人がそばにいることそのものが力になります。
  • いつも通りに接する。腫れ物に触るようにではなく、天気の話やいつもの会話でかまいません。「特別扱いされない時間」がほっとできることもあります。
  • 小さな「できた」を、一緒に見つける。朝起きられた、ごはんを食べた、薬を飲んだ——当たり前に見えることも、調子が悪いときには大きな一歩です。それを一緒に数えてあげてください。

家族だけで、抱えなくていい

ご本人を支えるご家族もまた、心身ともに消耗していきます。眠れない、自分の時間が持てない、誰にも相談できない——。支える人にも、支えが必要です。

「自分が休んだら申し訳ない」と感じるかもしれません。けれど、ご家族が倒れてしまっては、いちばん支えたい人を支えられなくなります。少し距離を取ること、自分の時間を持つことは、わがままではありません。

専門職に頼る、という選択肢

精神科訪問看護は、看護師などがご自宅にうかがい、ご本人の生活と心に寄り添うサービスです。私たちが大切にしているのは、ご本人だけでなく、ご家族の「どうしたらいい?」にも一緒に向き合うことです。

たとえば、こんなことをお手伝いします。

  • ご本人の体調や気持ちの変化を、定期的な訪問で見守る
  • 服薬や生活リズムについて、ご本人と一緒に確認する
  • 不安なときの過ごし方や、ご家族の関わり方の相談に応じる
  • 主治医・かかりつけ医と連携し、必要な情報を共有する

家族だけで抱えてきたことを、チームで分け合える。それが、専門職に頼ることの意味です。

ご利用までの流れ・対象になる方

精神科訪問看護のご利用には、主治医による「精神科訪問看護指示書」が必要です。すでに精神科・心療内科などにかかっている方は、主治医にご相談いただくか、私たちにお問い合わせいただければ、主治医への指示書のご依頼をお手伝いしながら、一緒に進めていきます。

「まだ受診先が決まっていない」「本人が受診を渋っている」という段階のご家族からのご相談も、お受けします。お住まいの市区町村の精神保健相談窓口(保健所・保健センター)や精神保健福祉センター、かかりつけ医など、適切な相談先のご案内も含めて、まずは「対象になる?」の段階でお声がけください。(高齢のご家族の場合は、地域包括支援センターもご利用いただけます。)

おわりに

ご家族にできることは、実はそれほど多くありません。けれど、「そばにいる」「いつも通りでいる」というその関わりこそ、ほかの誰にもできない、いちばん大切な支えです。

そして、その家族を支えるために、私たちのような専門職がいます。ひとりで、抱え込まないでください。

府中市で精神科訪問看護をお探しの方、ご家族の関わり方に悩んでいる方は、「対象になる?」の段階で構いませんので、お電話・お問い合わせフォームからご連絡ください。

📞 府中よりそい訪問看護ステーション:042-508-3434

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